東 瑞穂さん
BUNNY YAWN  Homestyle Cafe オーナー
 
LONDON

【自分に出会うために、人に出会う】

Art of Lifeインタビュー

出会う人で自分の人生が決まるほど、人はとっても大事だと思っています。

やりたいことが無限にあって、その中で「BUNNY YAWN 」 が第一の形。やりたいことが初めじゃなくても、場所、人、誰かのアドバイスだったり。

そんな小さな一歩で飛び込んだら、人が寄ってくる。一歩出た分、いろいろな人に出会うと思います。

どんな出会いが、瑞穂さんをイギリスに導かせたと思いますか?

 

日本を出られるのなら、どこでも良かったんです。

 

特に何があったと言うわけでは無いのですけれど、日本の型にはめられる感じが嫌だったんです。どこの社会でも同じなのだと思うのですが、地位やお金で決められていて、それらは幸せとは直結しないとわかっていて。

それを強制する周りに、しっくりこない自分がいる。

うわべの良い子、勉強が出来る子、(大人の)求められる子でいなきゃいけないことに、不信感を抱いていた。学校が厳しくって、それに反抗するように、三島由紀、村上龍などの本を読んでいました。

そんな中で、「Clueless (クルーレス)」と言う、90年代のアメリカの学園ものの映画を見て、こんな学校もあるのだって思って、それで海外に行こうと思ったんです。

社会に対して、疑問を持っていた人たち(小説家)の本を読んでいたのですね?

その人たちが先(時代)をいっていると思っていました。

社会が決めたルールの中には居たくない。どんな職業があるかわからないですけど、人の心と向き合う仕事をしたいと思っていましたね。

家族や友人と離れることへの怖さよりも、一回一人になってみたい、誰も自分を知らないところに行くって、どんな感じだろう?って、思いました。

Free(自由)になってみて、どうでしたか?

Freeとなるはずだったのですが、自分が想像していた「クルーレス」の華やかな世界とは真逆で(笑)

親に自分で決めてやるんだったらと言われて、英国大使館に行ったんです。それで入学出来そうな学校を探して、イギリスに行ったんです。

イギリスに着いて、学校に向かう電車に乗っていたら、どんどん森のような中に入っていて、見えてくるのは馬とか羊とか。

がっかりしちゃって。

こんなんじゃないって、電車の中で大泣きしちゃったんです。

夢を持って行って、でも現地は違っていて、どんな風に馴染んで行ったと思いますか?

 

馴染めなかったですね。

 

その学校も、ものすごく厳しい学校だったんです。初日に髪の毛をピンクに染めて行ったんです。ものすごく怒られたのですが、英語がわからなかったので怒られた気はしませんでしたけど。(笑)

規則のある日本の学校が嫌で出たのに、こちらでも同じだった。

 

とにかく学校生活に馴染めなかった。

なぜ、違うなって思いながらもイギリスに留まることを選んだと思いますか?

 

日本に戻ったら、その先が容易に想像できるから。もしかしたら自分探しをしていたのかもしれない。

 

それじゃ物足りない。

自由を求めてきたけれど、「自由」ってなんだろうって考えました。海外に来て、自由って思っているけれど、心は自由じゃないって、ずっと葛藤していた。

けど、日本には帰ろうとは思っていませんでしたね。

その時に思っていた自由というのは、アメリカの映画のような。

日本の社会で、型にはめられていたから、その逆の生活が自由だと思っていたけれど、その逆を手に入れたところで、それでも自由じゃないんです。

やりたいことが見つからないから。

自分が真に追い求めるものがないと「自由」じゃない。その時はわからなかった。

環境を変えたから「自由」なるのではないと思うのですね。深い気づきですね。

全然、違いますね。

本当にそれを気づいたのは、30歳を超えてからです。

それは自分でやりたいことに出会えたからってことかな?

本気でやろうと思ったのは、お店を開いたから。

それまでの自分はどこか逃げがあるから、むしろ「自由」じゃ無い。自分でコントロールしているものが何も無いから。

先のお話に戻ると、当時は大学に行って、それでもまだ何かを追い求めていたのですね。

 

そうですね、でも大学も含め(学校は)自分には向いてないなって思って、それでビジネスコースに行ったんです。もう働こうと思って。卒業間際になってプライベートで色々とあって、学生ビザも切れるし、これから何をするかってことを考えていた頃。

 

心がすごく弱くなったのでしょうね。

 

イギリスで10年、こちらにきて初めて親に会いたいって、ホームシックになったんです。それで帰ろうって思っていた時に、子供を授かって

 

それでそのまま居ることになったんです。

 

帰ろうって思った先の、イギリスに居る様な展開だったのですね。

 

そうなんです。色々と悩んだのですが、当時はこの流れを天に任せようと思った。その後シングルマザーになって、凄く落ち込みながらも、なぜか行動は早かったですね。

 

心のことを考えることが沢山あって、まず思ったのが「家を買わないとダメだな」と思ったんです。

え?ご自身で家を買う?(笑)

この子を育てていくためというよりは、「自分が落ち着かなきゃ、自分がハッピーにならなくちゃ」って思ったんです。

それでも、家を買うって発想が直ぐには出ないと思いますが?

何かに投資しなきゃって思ったのでしょうね。

それで家を買うって決めてから、それに見合うお給料を頂けるとことろを探したんです。それで飲食関係の会社に就職したんです

自分の心を満たすがキーで、それで家を買う。そのために、この仕事という考えだったんですね。

 

欲しいものが先にありき。

 

それを叶えるためには、どうしたらいいんだろう?どうやったら、それを叶えるお金が入ってくるんだろう?って。

 

実は今はこの考え方は好きじゃないです。必死な時はこういう考え方で入ってくるものだと思いますが、今はちょっと違うような気がしています。

当時は、その様に考えて先に進んだのですね。

 

必死でしたからね。それで家を買えたんです。29歳、本当にラッキーとしか言いようがない、よく買えたねって色々な人に言われます。

 

あっ、その前にトルコ(トルコ共和国)で家が買えると聞いて、そこに投資しようと思って、子供を連れてトルコに行ったんです。

 

とにかく投資をして、自分の財産となるものが欲しかったんですね。親にこの話をしたら、凄い怒られました。それでやっとイギリスで物件を見つけたんです。

 

 

 

それは凄い発想、行動力ですね。(笑)実際に私もイギリスで生活をしていて思うのですが、イギリスで家を買うのは、大きな覚悟ですよね。

 

考えがおかしなところに飛ぶんですよ。よく順序だててない、発想が逆転してるといわれます。

 

トルコの話も、普通の人が聞いたらなんて危険な人なんだろうと思われると思う(笑)道を修正してくれる人が周りにいるので良かったです(笑)

 

トルコ(トルコ共和国)は、好きだったんです。学生の頃に初めてやったビジネスが、キリム(カーペットの布)の仕入れ&販売をしたのですね。

 

トルコは、イスラム圏だけど文化が混ざっていてオープン。自給率100%というのにも感銘を受けたし、若い人が多いって聞いて、これから伸びていく国だなって思いました。イスラム圏の織物は歴史があって、ファミリーが一つひとつ自然な形で染めていて、織物のモチーフにも全て意味があるんです。

 

トルコで色々と見ていると、物には値段がないんですね。私は、それが面白いなって思ったんです。

 

自分の交渉力によって値段が変わるのが楽しいと思ったのですね。

 

楽しいと思った。交渉が土臭いというか、人間臭いんですよね。

 

アンティークも同じだと思いますが、商品に価値を持っていて、それは時代だったり、染めた方だったり。どういう時、人に作られたものかによって価値が変わっていくんですよね。

 

それがまさに自分が夢を描いていた世界だって思ったんです。

 

人の思いを込めたもので、その時に出来上がったものや、美で価値が決まる。エネルギーをかけたものが、100万とかになることを体感していいなって思う。

 

人間が故意に作ったハイラルキー、システムの中の出来上がった価値ではなくて、純粋に人が誰かのために作ったものに価値を見出す世界。

 

本当にそんな世の中になったらいいね。その人がかけたエネルギーで価値を決める。私もそう願います。

 

こういう仕事がしたいと思った。でも、売る方法がわかってなくて、マーケティング方法もわからず未熟だった。

 

これもやっていて面白いなって思ったんですが、自分でアンティークマーケットで売っていた時、一対一だと、キリムの良さを30分ほど熱弁して、1日にやっとひとつ売れたほど。でも、eBay(インターネットオークション)なら、価値を分かって居る人が既にいるんですよね。

 

結局eBayで全部売れました。

 

あんなに熱弁しても伝えられなかったのに、インターネットなら情報だけ書けば、価値を見出している人たちが自分たちで検索して探してくれる。

 

これも良い経験になりましたね。

家を買って、会社勤めをしながら、そのあとはどのように流れたのですか?

 

子供が成長していく中で、次に手に入れたいものが見つかったんですね。

 

それは子供教育環境。

 

ロンドンの学校も住んでいる地域によって行く学校が決まるのですが、その選択肢が、どちらの学校に行っても良い学校になる場所はないかなって探していたら、良いエリアがあったんので、そこに引っ越したんです。

 

 

 

どちらにしても良い学校となる様に(笑)

 

それでその良いエリア内で家を借りたんです。しばらくそれから平穏にいたのですが、会社勤めだとどうしてライフワークバランスが崩れるじゃないですか?

 

イギリスは家の価値が上がるので、家を売ったらそのお金で何か出来るかなって思って。

 

そしたら、そんなタイミングに合うかのように、ここ(BUNNY YAWN カフェ )の場所が空いていたんです。

 

 

 

まるで瑞穂さんを待っていたかのように(笑)

 

以前はタイル屋さんだったのですが、ある日この前を通ったら「移転します」と張り紙があったんです。それで中に入って行って、この場所を貸してくださいって言ったんです。

 

根性頼みで、どうしても借りたい。お願い、お願い、どうしても借りたいって。カフェをしたいんですって説得して。

                          

 

 

熱心に頼みに通ったんですね。

 

ここは立地がいいので、借り手はいくらでもいるんですが、タイル屋さんは、誰にも貸すつもりは無かったんですね。

 

タイル屋さんは昔からここで苦労しながら事業をされていてきたので、だから個人ビジネスする人なら応援したいって気持ちでいらして、初めてビジネスする外国人の私に貸すって、リスクと考えたと思うのですが、貸してくれることになったんです。

 

 

 

それは素敵なお話ですね。自分のやりたいことを見つけて初めて自由を得られると思うとおっしゃっていましたが、今どんな自由を感じていますか?

 

自分で作っていける自由です。

 

今思うのは、自由って「責任が伴う」ことだと思うのですね。腹をくくることで、自分の範囲が出来ましたよね。

 

 

 

「腹をくくることで範囲が決まる」とは?

 

自分のレベルもわかりますよね。自分ってレベル低いなって。向き合いました(笑)どんなに小さい人間かも、どんなに出来ないかってことかもわかった。

 

契約書にサインをしたときから自分は逃げられないところにいるんだなって。そのことにワクワクする自分もいますけれど、同時に自分が弱った時に、不安や恐れがガツンとくるんです。

 

ただ、「恐れ」って、漠然とした恐れと、決めたからの恐れがあって、私は後者の方がマシだと思うのです。

 

 

 

今は見えているからの不安の方がいい。

 

選択を一杯考えるんですよ。あーしたら、こうしたらいいのかなって考える。

 

例えば、あのお客さんが来ていないな、なぜかな?流行っているカフェに行って何が違うのかな?って。いい意味でも悪い意味でも、比べながら研究、工夫していく。

 

それで自由な時間が増えたんですね。

 

初めは夜遅くまで一人でやっていたんですが、あれ違うなって思ったんです。人に任せるようになって、少しずつ時間の余裕が出来たら、考えられる時間が増えたんです。

ビジネスを始めたばかりの人たちの興味があるところだと思うのですが、初めはなんでも一人でやる。それがゆえに忙しくなってしまう。人に任せる様にシフトしていくためのエッセンスは、どんなことだと思いますか?

 

お店のイメージから入ったんです。

 

少しお客様が減って来たなと思った時に、流行っているカフェにいってわかったのが、流行っているカフェは、人、スタッフがいるなって思ったんです。

 

ライブ感、活気があるんです。

 

それで怖かったけど、スタッフを一杯雇ってみたんです。そしたら、お客様も一杯来てくれて、すごく忙しくなったんです。でも結局、売上は上がったけど、出て行くお金が凄くて、お金はないみたいな。自分で働いちゃった方が、お金は貯まりました。

 

そこでも考える機会になった。

 

どの位だったら自分で無理しないでできるかを考える1年で、そのバランス、自分を大事にする様になりました。

 

 

 

色々試しながら、自分の「丁度いい」を探して来た。

 

初めからわかったことは、何もないかもしれない。できない自分がいて、そこから考える。失敗の連続かも(笑)

 

うまく行くこともあるけど、課題が見えて原因を探して。良くなったら、また次の課題が見えて。その地域、季節がゆえに課題もあって、世の中はいろいろな要素で成り立っているんだってことも学びました。

 

BUNNY YAWNをやっているからこその、出会いが沢山あるんです。

 

 

 

人が集う場所(カフェ)はいいですね。

 

このカフェビジネスでの一番の財産は、いろいろな人に出会えたこと。

 

会社勤めしていたらなかなか会えない人に出会えている。昼間カフェにいらしている方達は特に自営業、自分の夢に向けて頑張っている人が多いんですね。だから話をしていて、夢がどんどん広がるのです。

 

こっちの方がうまく行くとか、違う道をアドバイスしてくれたり、精神面でもやり方でも教えてくれたり、みな経験している先輩達だから、全てが実践的なんですね。

 

人との出会いが、一番の財産ですね。

おっしゃっていた「一歩前に出さないと、人に気づかれない」ということですね。

 

そう、人が寄ってこない。

会社勤めしている頃って、その中だけになるから、仕事や会社の愚痴ばかりになる。でも、今はなす話って、ビジネスの話なんです。

 

 

 

ビジネス、つまりは未来の話なんですよね。

 

楽しくてしょうがない!

 

お金のないところから、どうやってビジネスをするのか、また違うビジネスをすることはあまり怖くなくなりました。

 

 

 

これからどんなことを展開していきたいですか?

 

モダンな日本食とか、「おにぎらず」をヘルスコンシャスな方達に展開していきたいと思っています。日本の発酵食品などを使った食材をアレンジして作って行きたいと思っています。もっと日本に関わった仕事がしたいです。

人生を振り返ってみて、もし自分の人生から問われている質問があるとしたら、それはどんな問いだと思いますか?

 

「どうしたら、周りの人をハッピーに出来るか?」

 

それが出来る人になりたいなって思っています。自分が満たされていれば、周りもハッピーなんだってことは、何となくわかって、ハッピーだと人が寄ってきてくれる。

 

やりたいことをやっていきなよ(笑)我慢していたら勿体ない。自分がやりたいことをやっていれば、人が集まってくるから。

 

出会う人とは、やっていることは違っていても、潜在意識の中では、同じ方向を見ていて、根っこの部分はつながっている、その出会いを大切にしてと思う。

 

 

 

瑞穂さんが人との出会うで、大切にしていることはありますか?

 

相手に興味を持つこと。

頼りすぎないこと。

自分から提供できるものがあればする。

 

って、自分は貰いっ放しの人生ですけど(笑)

 

私が提供できたかなって思える時って、相手がオープンになっているときかな(笑)その人が楽しそうに話しているとき。

 

 

 

それって、無意識でも相手の自由や可能性を引き出しているってことですね。

 

自分もオープンになれるところが好きなんです。

 

こんなことを言ったら、こう思われるかなってことを考えなくて良い環境に居たいのだと思います。

 

 

 

これまでもたくさんの冒険をしていると思いますが、瑞穂さんのこれからも楽しみですね。

 

まだまだ冒険し足りてないです。(笑)

Ms.  Mizuho higashi

Bunny Yawn

Homestyle Cafe

84 Heath St, London NW3 1DN England

+44 20 7443 9111

 

ロンドン屈指の高級住宅街にあるシュガーフリー、乳製品フリー、グルテンフリーのスイーツや、野菜たっぷりのサラダなどを楽しめる地元の方達に人気のカフェ。